ホールインワンを達成した際、「お祝いしない」という選択肢はありなのでしょうか。
そもそも、このお祝いはなぜするのか、この風習は日本だけなのか、そしてホールインワンが出る確率はどれくらいか、疑問は尽きません。
ホールインワンのお祝い相場や、した人へのお祝い、逆にお返し相場が気になりますよね。
特にセルフプレーが増えた現在、保険おりないケースも多く、ホールインワンが迷惑になることさえあります。
ホールインワンの暗黙のルールは?ホールインワン保険はばかばかしい?そんな悩みに答えます。
記事のポイント
- ホールインワンのお祝いをする文化的な理由
- セルフプレーにおけるお祝いの考え方と新常識
- お祝いにかかる費用相場とゴルフ保険の実情
- お祝いをしない場合のスマートな立ち回り方
ホールインワンでお祝いしないのはアリ?

- ホールインワンのお祝いはなぜするの?
- このお祝いは日本だけ?
- ホールインワンのお祝い、相場は?
- ホールインワンした人へのお祝い
- お祝いのお返し、相場はいくら?
- ホールインワンの暗黙のルールは?
ホールインワンのお祝いはなぜするの?

ゴルフでホールインワンを達成した本人が、同伴競技者やゴルフ仲間にお祝いを振る舞う。
この一見不思議な習慣の背景には、日本独特の考え方が深く根付いています。
結論から言うと、これは単なるパーティーではなく、「厄除け(やくよけ)」と「幸せのおすそ分け」という、二つの大きな意味合いを持った文化的な行為なのです。
日本では古くから、「大きな幸運が舞い込んだ後には、その反動で悪いことが起きるかもしれない」という考え方があります。
ホールインワンは、アマチュアゴルファーにとっては一生に一度あるかないかの奇跡的な幸運です。そのため、その大きな幸運のバランスを取るために、周囲にお祝いを振る舞うことで「厄を払う」という意味が込められています。
同時に、その大きな幸せを独り占めするのではなく、「幸運を周りの人にも分かち合う」という、幸せのおすそ分けの精神も強く表れています。
これは結婚や出産の内祝い、あるいは家を新築した際の餅まきなどにも通じる、日本らしい美しい慣習と言えるでしょう。
この二つの考え方が融合し、ホールインワン達成者が祝宴を催すという独特の文化が形成されてきました。
このお祝いは日本だけ?

ホールインワンを達成した本人が、記念品を配ったり祝賀会を開いたりして盛大にお祝いを振る舞うという風習は、主に日本独特のものと言われています。
海外のゴルファーにとっては、少し奇妙に映るようです。
ゴルフの本場スコットランドでは、達成者がクラブハウスでスコッチウイスキーを1本購入し、その場に居合わせた人々に振る舞う程度の、ささやかで粋な慣習があると言われています。
また、この「おごる」習慣の起源はアメリカという説も有力です。
一説には1921年、ペブルビーチ・ゴルフリンクスでホールインワンを達成したゴルファーが、同伴者の提案でクラブハウスにいた全員に飲み物をおごったのが始まりとされています。
しかし、記念植樹や大規模な記念コンペの開催といった、数十万円以上の費用をかける可能性のある大掛かりなものに発展したのは、前述の「厄除け」や「おすそ分け」といった価値観を持つ日本特有の文化と言えるでしょう。
ホールインワンのお祝い、相場は?

ホールインワンのお祝いにかかる費用は、その規模や内容によって大きく変動しますが、決して安いものではありません。
一般的には、総額で数十万円から、場合によっては100万円以上かかることも珍しくありません。
達成した時のメンバーや状況によって、どこまで行うかを判断する必要があります。
主な費用の内訳と、その相場の目安は以下の通りです。
項目 | 費用相場の目安 | 内容 |
---|---|---|
キャディへのご祝儀 | 1万円~3万円 | ホールインワンの証明に不可欠な存在への感謝の気持ちとして渡されることが多いです。保険適用の際にも重要になります。 |
記念品の贈呈 | 3万円~10万円以上 | 同伴競技者やゴルフ仲間へ贈る記念ボールや名入れタオルなど。贈る人数によって総額は大きく変わります。 |
祝賀会 | 5万円~30万円以上 | レストランやホテルでの食事会の開催費用。規模や場所によって大きく変動します。 |
記念植樹 | 10万円前後 | ゴルフ場に記念樹を植え、プレートを設置する費用です。ゴルフ場によっては受け付けていない場合もあります。 |
記念コンペ | 10万円~50万円以上 | 景品代やパーティー費用など。最も高額になりやすい項目で、達成者の負担割合はケースバイケースです。 |
もちろん、これらすべてを行う必要はなく、親しい仲間内で食事会をする程度で済ませることも可能です。
しかし、会社のコンペなどで達成した場合は、人間関係を考慮して、ある程度の出費を覚悟する必要があるかもしれません。
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ホールインワンした人へのお祝い

逆に、ゴルフ仲間がホールインワンを達成した場合、周りはどうすれば良いのでしょうか。
一般的に、後日祝賀会や記念コンペが開催される場合、参加者がお祝い(ご祝儀)を持参するのがマナーとされています。
これは、多額の費用を負担している達成者をサポートするという温かい意味合いがあります。
金額に厳密な決まりはありませんが、友人や同僚であれば5,000円~1万円程度が一般的な相場とされています。
ただし、これはあくまで慣習であり、祝賀会費やコンペ参加費にお祝いの意味が含まれている場合もあります。
混乱を避けるためにも、事前に他の参加者と相談し、足並みを揃えるのが最もスマートな対応と言えるでしょう。
お祝いのお返し、相場はいくら?

ホールインワンを達成し、周りからお祝い(ご祝儀)をいただいた場合、そのお返しとして記念品を贈るのが日本の丁寧なマナーとされています。
この場合の記念品は、いただいたお祝いの半額(半返し)から3分の1程度が一般的な相場です。
記念品としては、ゴルフボールやマーカー、タオルといったゴルフ関連グッズに、達成日やゴルフ場名、ホール番号などを名入れしたものが定番として人気があります。
最近では、相手が好きなものを選べるという利便性から、カタログギフトを選ぶ人も増えています。
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ホールインワンの暗黙のルールは?

ホールインワンには、公式なゴルフ規則には載っていない、いくつかの「暗黙のルール」や長年培われてきた慣習が存在します。これを知っておくと、いざという時に慌てず、スマートに対応できます。
知っておきたいホールインワンの暗黙のルール
- 達成した本人が、周りにお祝いを振る舞うのが基本(記念品、祝賀会など)。
- キャディがいた場合は、感謝の気持ちとしてご祝儀を渡すのが一般的。
- 祝賀会などに招待された際は、お祝い(ご祝儀)を持参する。
- 達成したボールは記念に大切に保管し、次のプレーでは使わない。
- その場で大騒ぎし、できるだけ多くの人に目撃してもらう。
これらはあくまで法的な義務ではなく慣習です。
しかし、日本のゴルフ文化に深く根付いているため、特に目上の方とのプレーや公式なコンペなどの際は、こうした慣習を尊重する姿勢が、円滑な人間関係を保つ上で助けになるかもしれません。
ホールインワンでお祝いしない選択肢

- ホールインワンが出る確率は?
- セルフプレーでのホールインワン
- ホールインワン保険がおりないケース
- ホールインワンが迷惑になることも
- ホールインワン保険はばかばかしい?
ホールインワンが出る確率は?

そもそも、ホールインワンはどれくらいの確率で起こるのでしょうか。様々なデータがありますが、一般的にアマチュアゴルファーの場合、その確率は約12,000分の1程度と言われています。
これは、1ラウンド(パー3が4ホール)をプレーした場合、3,000ラウンドに1回という計算になります。
あるゴルフ場のデータによれば、年間来場者約45,000人に対し、ホールインワン証明書の発行件数は年間12〜13件だったそうです。
これは約3,500人に1人の割合となり、統計データと近い数字です。
年間50ラウンドする熱心なゴルファーでも、単純計算で60年に1回という天文学的な確率。
まさに「奇跡」と言われる所以です。
だからこそ、達成した際には大きな幸運としてお祝いをする文化が生まれたのですが、同時に、その稀少性がお祝いの規模を大きくしてしまう一因にもなっています。
セルフプレーでのホールインワン

近年主流となっているセルフプレーでのホールインワンは、お祝いをするかどうかを判断する上で非常に大きなポイントとなります。
公式なホールインワンとして認められ、保険金を請求するためには、原則として「同伴競技者以外の第三者の目撃」が必要です。
この第三者とは、キャディやゴルフ場の従業員、先行・後続組のプレーヤーなどを指します。
セルフプレーでは、この「第三者」が存在しないため、公式な記録として認められないケースが多くなります。
そのため、仲間内だけの気兼ねないセルフプレーでホールインワンが出た場合は、公式な証明が難しいことを理由に、「お祝いはしない」という選択をする人が増えています。
気心の知れた仲間であれば、「保険も下りないから、お祝いはなしでごめんね」と正直に伝えることで、後腐れなく喜びだけを分かち合えるでしょう。
ホールインワン保険がおりないケース

万が一の出費に備えるホールインワン保険ですが、近年、その保険金の支払いが厳格化されており、条件を満たしているように見えても保険がおりないケースが増えています。
これは、過去に虚偽申請による保険金詐欺が全国で多発したことが背景にあります。
保険がおりない主なケースは以下の通りです。
保険金が支払われない主な理由
- セルフプレーで、利害関係のない第三者の目撃証明がない場合。(最も多いケース)
- 前の組や後ろの組の人が友人・知人だった場合。(客観的な第三者と認められない可能性がある)
- ビデオ撮影があっても、ティーイングエリアからカップインまで1カットで撮影できていない場合。
- 保険会社による調査の結果、少しでも疑わしい点が見つかった場合。
保険会社によっては、申請後に同伴者やゴルフ場に詳細な聞き取り調査が行われ、まるで詐欺を疑われているかのような扱いを受けたと感じる人もいるようです。
こうした保険金請求のハードルの高さも、「お祝いしない」という現代的な選択を後押しする一因となっています。
ホールインワンが迷惑になることも

本来は最高に喜ばしいはずのホールインワンが、達成者にとって「迷惑」な出来事になってしまうことがあります。
その最大の理由は、やはり予期せぬ高額な出費を強いられるからです。
特に、保険に未加入だったり、前述の理由で保険がおりなかったりした場合、数十万円の出費は大きな経済的負担となります。
会社のコンペなど、お祝いを断りづらい状況で達成してしまった場合、「嬉しいけれど、正直なところ困った…」というのが本音になることも少なくありません。
こうした背景から、ホールインワンを達成しても保険の申請をしない、あるいは仲間内だけの喜ばしい出来事として、大々的なお祝いはしないという人も増えているのが実情です。
ホールインワン保険はばかばかしい?

「ホールインワンの確率を考えたら、保険に入るなんてばかばかしいのでは?」と考える人もいるかもしれません。確かに、ホールインワンを達成しなければ、その部分の保険料は「無駄」になるかもしれません。
しかし、ゴルフのリスクはホールインワンだけではありません。
一般的に「ゴルフ保険(ゴルファー保険)」と呼ばれる商品には、ホールインワン費用の補償以外にも、以下のようなゴルファーにとって非常に重要な補償が含まれています。
- 第三者賠償責任補償:打球を他人に当ててケガをさせてしまった、他人の物を壊してしまった場合の損害賠償。数千万円単位の高額賠償に備えられます。
- ゴルフ用品の損害補償:プレー中にゴルフクラブが折れてしまったり、ゴルフ用品が盗難に遭ったりした場合の補償。
- ゴルファー自身の傷害補償:プレー中に自分が転倒してケガをした場合の入院・通院費用など。
特に、他人への賠償責任は、いつ誰が起こしてしまうか分かりません。
ホールインワン費用のためというよりは、これらの万が一の重大なリスクに備えるため、という視点でゴルフ保険を捉えると、決して「ばかばかしい」ものではないと言えるでしょう。
詳しくは三井住友海上などの保険会社のサイトで詳細を確認することをおすすめします。
総括:ホールインワンでお祝いしない選択
この記事のポイントをまとめます。
- ホールインワンでお祝いするのは「厄除け」と「幸せのおすそ分け」が理由
- 達成者本人がお祝いを振る舞う風習は主に日本独特のもの
- お祝いの相場は数万円から100万円以上と高額になる場合がある
- ホールインワンした人へのお祝いは5,000円から1万円程度が一般的
- お祝いへのお返し相場はいただいた額の半額から3分の1程度
- ホールインワンの確率はアマチュアで約12,000分の1と非常に低い
- セルフプレーでのホールインワンは第三者の目撃証明がなく公式記録と認められにくい
- 仲間内のセルフプレーではお祝いしないケースが増えている
- 保険金詐欺の影響で保険会社の審査が厳格化し保険がおりないことも
- 高額な出費からホールインワンが迷惑と感じる人もいる
- ホールインワン保険は他人への賠償など他のリスクに備える意味では有効
- お祝いは義務ではなく関係性や状況に応じて判断するのが現代的
- ホールインワンでお祝いしないという選択は決して間違いではないリスト