ゴルフ練習場、いわゆる「打ちっぱなし」で打席を選ぶ際、「2階のほうが飛ぶ気がするけど、実際の飛距離はどうなんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。
なんとなく選んでいるその打席、実はあなたのゴルフ上達に大きく影響しているかもしれません。
この記事では、多くのゴルファーが抱える、打ちっぱなしの2階の飛距離に関する疑問を徹底的に解説します。
ゴルフ練習場の1階と2階で飛距離はどう違うのか、練習場のボールがそもそも飛ばないと言われる理由、打ちっぱなしでのクラブ別飛距離目安まで、基本的な知識を網羅。
さらに、3階の飛距離との比較や、そもそも2階が安い理由にも迫ります。
また、ゴルフ初心者の方が何階で練習すべきか、練習場でありがちな上のネットに当たるミスの原因、そして高い場所から落ちるようで怖いと感じる場合の対策など、具体的な悩みにもお答えします。
この記事を読めば、各階層のメリット・デメリットを理解し、自分の目的に合った最適な練習環境を選べるようになります。
記事のポイント
- 1階・2階・3階打席それぞれの飛距離の見え方と特徴
- 初心者が2階打席で練習するべき本当の理由
- 練習場で上のネットに当たる原因と高所への恐怖心の対策
- 各打席のメリットを活かした効果的な練習方法
打ちっぱなし2階の飛距離は伸びる?1階との違い

- ゴルフ練習場1階と2階の飛距離の違い
- 練習場のボールが飛ばないと言われる理由
- 打ちっぱなしでの番手別飛距離目安とは
- 3階打席の飛距離はさらに変わるのか
- なぜ2階打席は料金が安いのか
ゴルフ練習場1階と2階の飛距離の違い

ゴルフ練習場において、1階と2階の打席ではボールの飛距離の「見え方」が異なります。
同じ強さで同じように打ったとしても、2階打席の方が飛距離が出ているように感じられるのが一般的です。
この主な理由は、打席の高さの違いにあります。
2階打席は地面から数メートル高い位置にあるため、打ち下ろしのショットになります。
ボールは放物線を描いて飛びますが、打ち下ろしになることで、地面に落下するまでの滞空時間が長くなります。
その結果、1階から打つよりも遠くまで飛んでいくのです。
1階打席のメリットは、実際のゴルフコースとほぼ同じ目線で練習できる点です。
そのため、コースでの実践を想定したアプローチ練習や、ターゲットを狙う感覚を養うのに適しています。
一方で2階打席は、打ち下ろしになるため実戦的な距離感とは少しズレが生じますが、ボールの弾道を横からしっかり確認できるという大きなメリットがあります。
自分のスイングの癖や球筋を把握するには、2階打席の方が適していると考えられます。
このように、どちらが良いというわけではなく、目的によって使い分けるのが賢明です。
練習場のボールが飛ばないと言われる理由

打ちっぱなしで練習していると、「コースで打つ時よりもボールが飛ばない」と感じることがよくあります。
これは気のせいではなく、実際に練習場で使用されている「レンジボール」は、私たちが普段コースで使う「コースボール」よりも飛距離が出ないように設計されています。
その理由は大きく分けて二つあります。
一つ目は、耐久性です。
練習場のボールは、毎日何百、何千回と打たれるため、傷つきにくく、割れにくい頑丈な作りになっています。
ボールの表面を覆うカバー素材がコースボールよりも硬く、分厚くなっているのが特徴です。
二つ目は、ボール内部の構造の違いです。
飛距離を追求するコースボールは、反発性の高い多層構造になっていますが、レンジボールはコストを抑え、飛距離を抑制するために、比較的シンプルな1ピースや2ピース構造が多くなっています。
これらの理由から、レンジボールはコースボールに比べて約10%ほど飛距離が落ちると言われています。
練習場で飛距離が出ないからといって、力んでスイングを崩す必要は全くありません。
ボールの特性を理解した上で、飛距離よりもスイングフォームやミート率を意識して練習することが大切です。
打ちっぱなしでの番手別飛距離目安とは

ゴルフ練習場で練習する際、自分の飛距離がどのくらいなのか、目安を知っておくことは上達への第一歩です。
ただし、前述の通り練習場のレンジボールは飛距離が落ちるため、あくまで参考として捉えることが大切です。
以下に、一般的なアマチュア男性ゴルファーがコースボールで打った場合の、番手別の飛距離目安をまとめました。
クラブ | 平均的な飛距離(ヤード) |
---|---|
ドライバー (W1) | 200~230 |
3番ウッド (W3) | 180~210 |
5番アイアン (I5) | 150~170 |
7番アイアン (I7) | 130~150 |
9番アイアン (I9) | 110~130 |
ピッチングウェッジ(PW) | 90~110 |
サンドウェッジ (SW) | 60~80 |
※この表はあくまで一般的な目安です。ヘッドスピードや技量によって飛距離は大きく変わります。
練習場では、この目安の9割程度の飛距離が出ていれば問題ないと考えてよいでしょう。
例えば、7番アイアンで普段140ヤード飛ぶ人なら、練習場では125ヤード前後がターゲットになります。
大切なのは、見栄を張って無理に飛ばそうとせず、各クラブで安定して同じ距離を打てる再現性を高めることです。
3階打席の飛距離はさらに変わるのか

練習場の規模によっては、2階だけでなく3階打席が設置されている場合もあります。
では、3階から打った場合、飛距離はさらに変わるのでしょうか。
答えはイエスです。
3階打席は2階よりもさらに高い位置にあるため、打ち下ろしの角度がより大きくなります。
物理の法則上、高い位置から物体を放つほど、地面に到達するまでの時間は長くなり、その分だけ水平方向への移動距離も伸びます。
したがって、同じショットでも「2階 < 3階」の順で、飛距離はより伸びて見えることになります。
この特性を理解している上級者やプロの中には、あえて3階打席を選ぶ人もいます。
その目的は、風の影響を受けやすい状況で、球を低く抑えて打つ練習をするためです。
高い位置からだと、無意識にボールを上げようとする動きが抑制され、レベルブローやダウンブローでボールを捉える感覚を養いやすいのです。
ただし、初心者が3階で練習すると、あまりに実戦とかけ離れた飛距離感覚が身についてしまう恐れもあります。
まずは1階や2階で基本的なスイングを固めてから、特別な目的を持って3階を利用するのがよいでしょう。
なぜ2階打席は料金が安いのか

多くのゴルフ練習場では、1階打席に比べて2階、3階と上の階に行くほど打席料やボール代が安く設定されています。
これには明確な理由があります。
最も大きな理由は、ゴルファーの需要が1階打席に集中しがちだからです。
多くのゴルファー、特に中級者以上の方は、実際のコースに近い目線で練習できる1階打席を好む傾向にあります。
アプローチ練習など、より実戦的な感覚を求める場合、地面に近い1階に人気が集まるのは自然なことです。
練習場側としては、特定の階に利用者が集中すると、待ち時間が発生したり、打席の稼働率に偏りが出たりしてしまいます。
そこで、料金に差をつけることで、利用者を上の階へ分散させる狙いがあるのです。
価格を安くすることで、2階や3階を選んでもらうインセンティブ(動機付け)を与えているわけです。
また、早朝や深夜など、スタッフの人員を減らして営業している時間帯に、管理しやすい特定の階(主に2階以上)の料金を安く設定しているケースもあります。
利用者にとっては、コストを抑えて練習できるという大きなメリットになります。
打ちっぱなし2階で飛距離を伸ばす練習法と注意点

- ゴルフ初心者は何階で練習すべき?
- ゴルフ練習場で上のネットに当たる原因
- 2階打席から落ちるようで怖いときの対策
- 打ちっぱなし2階の飛距離を正しく知るには
- 打ちっぱなしの2階で飛距離と技術を磨こう!この記事のまとめ
ゴルフ初心者は何階で練習すべき?

ゴルフを始めたばかりの初心者の方にとって、練習場の打席選びは上達を左右する重要な要素です。
「コースに近い1階が良いのでは?」と思いがちですが、実は初心者には2階打席での練習を強くおすすめします。
その理由は主に3つあります。
第一に、精神的なプレッシャーが少ないことです。
2階打席は比較的空いていることが多く、周りに上級者が少ないため、他の人の目を気にせず自分のペースで練習に集中できます。
ミスショットをしても気兼ねなく、のびのびとスイングできる環境は、初心者にとって何より大切です。
第二に、自分のスイングの癖を把握しやすい点です。
2階からはボールの弾道全体を見渡しやすいため、スライスやフックといった球筋がはっきりと分かります。
自分の課題を客観的に認識することは、上達への最短ルートです。
第三に、正しいスイングが身につきやすいというメリットがあります
。1階では無意識にボールを高く上げようとして、手でクラブを持ち上げる「すくい打ち」という悪い癖がつきがちです。
しかし、高さのある2階打席では、ボールを上げようとする意識が薄れ、体の回転で打つ、自然でスムーズなスイングフォームを習得しやすくなります。
ゴルフ練習場で上のネットに当たる原因

練習場でドライバーなどを打っていると、ボールが真上に高く上がってしまい、打席の屋根や上のネットに「ガシャン!」と当たってしまうことがあります。
これは「テンプラ」と呼ばれる典型的なミスショットで、特に初心者によく見られます。
このミスが起こる主な原因は、ティーアップが高すぎること、そしてスイング軌道が正しくないことの2点です。
ティーアップの高さ
ドライバーショットの基本は、クラブヘッドを地面と平行か、ややアッパーブロー(上昇軌道)で捉えることです。
しかし、ティーアップが高すぎると、クラブヘッドがボールの下を潜り抜けるように当たってしまいます。
結果として、ボールはフェースの上部やクラウン(ヘッドの天面)に当たり、スピン量が極端に増えて真上に吹き上がってしまうのです。
スイング軌道
ボールを遠くへ飛ばそう、高く上げようと意識するあまり、体重が右足に残り、下から上へとクラブをすくい上げるようなスイング(シャクリ打ち)になることも大きな原因です。
この動きも、ボールがフェースの上っ面に当たる原因となり、テンプラを誘発します。
対策としては、まずティーの高さを適正(ボールの赤道をクラブフェースの上端に合わせる程度)にすること。
そして、すくい打ちにならないよう、体の軸を意識してレベル(水平)に回転するスイングを心がけることが大切です。
2階打席から落ちるようで怖いときの対策

2階や3階の打席はメリットが多い一方で、高い場所が苦手な方、いわゆる高所恐怖症の方にとっては、練習に集中できない原因になることもあります。
打席の端に立つと「落ちるようで怖い」と感じるのは、決して珍しいことではありません。
まず大前提として、ゴルフ練習場の打席は安全基準に基づいて設計されており、普通にスイングしている限り、落下する危険性はまずありません。
打席の床は前に向かって緩やかに下る傾斜がつけられていることが多いですが、これも水はけのためであり、安全性を脅かすものではありません。
それでも恐怖心を感じる場合は、以下の対策を試してみてください。
- 打席の後方で打つ: ボールの位置を、打席マットのできるだけ後ろ(自分寄り)にセットします。これにより、打席の先端から物理的に距離が取れるため、視界に崖っぷちのような感覚が入りにくくなり、恐怖心が和らぎます。
- 短いクラブから慣れる: 最初からドライバーを振るのではなく、アプローチウェッジなどの短いクラブでの小さなスイングから始め、徐々に慣らしていくのも有効です。
- スタッフに相談する: 練習場によっては、恐怖心を感じる人のために、打席マットを一枚分後ろにずらしてくれるなどの配慮をしてくれる場合があります。正直に相談してみるのも一つの手です。
どうしても慣れない場合は、無理をする必要はありません。
ゴルフは楽しむことが第一です。安心して練習できる1階打席を選びましょう。
打ちっぱなし2階の飛距離を正しく知るには

2階打席で練習する最大の注意点は、飛距離の感覚にズレが生じることです。
打ち下ろしのためにボールが遠くまで飛んで見えるため、「自分はこんなに飛ぶんだ」と誤解してしまう可能性があります。
この誤った距離感をコースに持ち込むと、番手選びのミスに直結してしまいます。
では、2階打席で練習しながら、正しい飛距離感を養うにはどうすればよいのでしょうか。
その鍵は、「トータル飛距離」ではなく「キャリー」を意識することです。
キャリーとは、ボールが打ち出されてから、最初に地面に着弾するまでの距離を指します。
2階打席から打つと、落下地点がよく見えます。
ヤード表示の看板などを目標にし、「どの看板の手前にボールが落ちたか」を正確に観察する癖をつけましょう。
例えば、150ヤードの看板を狙って打ち、その少し手前に着弾したのであれば、あなたのそのクラブでのキャリーは140ヤード強、ということになります。
ラン(着弾してからの転がり)は練習場とコースでは全く異なるため、練習場では無視して構いません。
自分のクラブごとの正確な「キャリー」を把握することが、コースマネジメントの基礎となります。
最近では、弾道測定器が設置された打席も増えています。
もし利用できる環境にあれば、機械が計測してくれる客観的なキャリーの数値を参考にすることで、より正確に自分の飛距離を知ることができます。
打ちっぱなしの2階で飛距離と技術を磨こう!この記事のまとめ
この記事では、ゴルフ練習場の2階打席における飛距離の特性や、1階との違い、初心者におすすめの理由などについて詳しく解説しました。
最後に、重要なポイントを改めてまとめます。
- 打ちっぱなしの2階は1階より飛距離が伸びて見える
- 理由は打ち下ろしでボールの滞空時間が長くなるため
- 練習場のレンジボールはコースボールより飛ばない
- 番手ごとの飛距離目安を知っておくと便利
- 3階は2階よりさらに飛んで見える
- 2階の料金が安いのは1階の人気が高いため
- 初心者の練習には2階打席が最適
- 2階はすくい打ちの癖を直しやすいため
- 上のネットに当たるのはティーの高さやスイングが原因
- 高い場所が怖い場合は打席の後方に立ってみる
- 2階での練習は本当のキャリー飛距離を知るチャンス
- 落下地点を意識して距離感を養うことが大切
- 1階と2階のメリットを理解し使い分けるのが上達の鍵
- 2階打席を有効活用して練習効果を高めよう
- 正しい知識で飛距離の誤解をなくし技術を磨こう